ドナルドソンは、1950年代からオンロードおよびオフロード車両用の音響減衰マフラーを製造しています。 多くの車両が排ガス規制装置に移行していますが、一部の用途では音響減衰マフラーが今もなお使用されています。 例として、排ガス規制があまり厳しくない国の自動車や機器、防衛用途等が挙げられます。 また、車種によっては、排ガス規制以上の減衰効果が必要な場合もあります。
ドナルドソンは、さまざまな車両や機器に対応したマフラーのポートフォリオを提供しており、OEMの要求に応じてカスタマイズすることが可能です。 カスタマイズのオプションは以下の通りです。
マフラーを選ぶ際には、さまざまな判断が必要となります。 音を減衰させる方法は? 理想的な背圧はどの程度か? どんな素材、どんな形がいいのか? マフラーの特徴やオプションの紹介など、最適なマフラー探しをサポートします。
排気システムの減衰とは、マフラーを装着した場合と装着していない場合で、同じエンジンの音量をデシベル(dBA)単位で測定し、低減させることです。 また、デシベルだけでなく、近くにいる人が感じる音の質も重要で、マフラーにはさまざまな音質特性を持たせた設計が可能です。
従来のマフラーは、チューブ、バッフル、膨張室、断熱材を使用して騒音を抑制しています。 現在のほとんどの用途には、音響減衰をもたらす排出ガス削減装置が搭載されていますが、特定の用途においては、排出ガスシステム以外にも、追加で音響減衰が必要となります。
エンジンメーカーは一般的に、マフラーによって15~25 dBAのエンジン排気音レベルの低減を予測しています。 車両や固定機器の総合的な騒音レベルは実際の規制値であり、通常、特定の速度と距離でマイクの前を走行した際に測定されます。 最大騒音レベルは、一般的に国の政府当局によって規制されていますが、地域で制限が適用される場合もあります。
重量級マフラーには、3つの消音技術が採用されています。
エンジンの性能を最大限に引き出すには、背圧を最小限に抑えたマフラーを目指す必要があります。 背圧とは、排気システムにガスを流すのに必要な力、つまり排気の流れに対する抵抗のことを言います。 システムの考慮すべき点は、摩擦と運動量の効果(膨張、収縮、エルボ)、とアウトレットでの速度損失です。
背圧は、馬力や燃費を低下させます。 たとえば、ターボチャージャー付きディーゼルエンジンでは、背圧1インチHg(水銀)あたり約0.5%の馬力と燃費が低下します。 背圧を最小限にするために、長いチューブ長、小さなチューブ径、急激な収縮を避ける必要があります。
使用できるマフラーの方式は、車両の構造、エンジンルームのスペースや形状によって決まるのが一般的です。 また、取り付け金具やそのアクセス性についても考慮する必要があります。 一般的なマフラー方式を以下に示しますが、ドナルドソンは独自のOE仕様に対応したカスタム設計も承っています。
排気システムにはさまざまな素材が使われており、1つの用途でも異なる素材が使われることがほとんどです。 材料は強度、耐食性、価格などが異なるため、用途によっては特定の材料が好まれる場合もあります。 最も一般的な素材とその品質、代表的な用途を下表に示します。 材料選定にお困りの場合は、ドナルドソンのエンジニアリングの専門家がお手伝いさせていただきます。
材料 | 用途 | 資質 |
---|---|---|
アルミめっき軟鋼 | マフラー | 良好な耐腐食性 |
排気系コンポーネント | ||
ステンレス鋼(アルマイト処理あり・なし) | フレキシブルチューブ | より強く、優れた耐腐食性 |
マフラー | ||
排気系コンポーネント | ||
排出系製品 | ||
クロム | アクセサリー | 明るい鏡面仕上げ |
亜鉛めっき | フレキシブルチューブ | 低材料費 温度限界 315°C/600°F |
冷間圧延 | アクセサリー | 耐腐食性が悪い 低コスト |
純正マフラーは、断熱材を使用せず、シングルウォール構造で生産されています。 最も低コストな設計ですが、システムのスキン温度が最も高くなります。 より低いスキン温度を必要とする用途には、デュアルウォールとエアギャップ、またはデュアルウォールと断熱材の組み合わせで設計することが可能です。 完全な排気システムの熱カバレッジのために、断熱シェルオプションは、独自のOE仕様を満たすように設計することができます。