油圧システムは実稼働において、圧力や流量の条件が絶え間なく変化するといった、動的で過酷な稼働環境にさらされます。 実際の稼働条件を再現するため、新たに策定されたISO 23369規格では、これまで用いられてきた静止状態におけるマルチパス流量(ISO 16889)ではなく、循環流量の変化に応じて性能を測定することの重要性が認められました。 これは、油圧フィルトレーションの試験規格における近年の進展の中でも特に重要な出来事です。これによりフィルター技術は劇的に変化しており、常に圧力や流量が変化する条件下においてより優れた汚染物質の捕集性能を発揮するメディアの開発が促進されています。
2021年に業界承認されたISO 23369規格により、油圧フィルトレーションのラボ試験において、実環境におけるフィルター稼働条件の変化、つまり「循環流状態」の流量をより忠実に再現できるようになりました。 油圧フィルトレーションの試験規格におけるこの進化は、新たなテクノロジーソリューションへの扉を開きました。
Alpha-Webメディアのファインファイバー層は、循環流状態における高いフィルトレーション効率を実現しつつ、流量の変化に伴って捕捉した粒子が脱落する力学的現象を最小限に抑えます。 Alpha-Webは、フィルトレーション効率を強化した設計になっており、実際の稼働条件下で効果を発揮します。
油圧機器の保護を強化するには、過酷な使用条件にも効果的かつ効率的に対応できるよう開発および検証されたフィルトレーションが必要です。 ドナルドソンのAlpha-Web油圧フィルトレーション技術は、その条件を満たす保護を実現します。
Alpha-Webのフィルトレーションメディアは、業界初のファインファイバー層により、流量が頻繁に変化する環境でも粒子を捕捉して封じ込め、油圧機器の保護性能を飛躍的に向上させます。
フィルトレーションによる汚染物質捕集能力の向上により、油が清浄化され、機器のパフォーマンス向上と長寿命化を実現するとともに、摩耗や損傷、予期しないダウンタイムのリスクを低減できます。 試験*では2つのISO規格により、Alpha-Webは合成メディアよりも油圧作動油の清浄度を高める能力が高いことが証明されました。油圧作動油の清浄度は最大で4倍になり、部品の長寿命化につながることが確認されています。 流体清浄度に関する業界の権威であるNoria社のEquipment Life Extension Table(設備延命表)によると、2つのISO規格によって流体清浄度の改善が認められた場合、部品の寿命は60%まで延びる可能性があります。
2つのISO規格に準じ、従来の合成メディアを上回る性能を証明
油圧作動油の清浄度が最大4倍*
部品寿命を最大60%延長