ドナルドソンでプロセスフィルトレーションを担当するRichard Juskowiakは、
今日の工場の生産需要の下では、より優れた性能を備えた無菌グレードのガスフィルタ―と液体フィルターが必要であると話します。 この技術は、過去30年間でほとんど進化していません。
しかし、この2年間、40人の材料科学者とエンジニアのチームが大手食品・飲料会社とチームを組み、マイクロフィルトレーションの歴史的な問題に取り組んできました。 共同開発の結果、次の分野で大幅な改善がもたらされました。
- 処理能力量、
- 完全性とライフサイクル、
- フィルター交換。
改良されたフィルターラインは、ドナルドソンのLifeTec™という名前で、2016年からヨーロッパと北米で発売されています。 LifeTecの開発により、以下の問題を克服しました。
処理能力量
業界標準のフィルターエレメントサイズ（直径2.75インチ、長さは10インチ単位で増加）内では、流量と追加エネルギーを消費するより高い圧力降下との間に常にトレードオフがあります。 生産をスピードアップするには、流量が必要です。 LifeTecのエンジニアはこの課題を解決するために、ポリエーテルスルホン（PES）メディアを高密度に構成したプリーツパックを開発しました。 メンブレンの非対称な「細孔」は、滅菌に必要なカットオフ範囲を提供すると同時に、対称型メンブレンと比較して流動能力を向上させます。
標準サイズのカートリッジにこの材料を20パーセント多く充填し、カートリッジの「空きスペース」を増やして流れを最適化することで、新しいエレメントは、メーカーの既存の容器内で最大20%増の流体を処理できます。
完全性とライフサイクル
食品・飲料工場における加工、清掃、滅菌の過酷な条件下では、フィルターはすぐにストレスを受け、設置時に不用意にねじれてしまうことがあります。 フィルター材は繊細で精密な構造であるため、ケージに損傷を与えないようにする必要があります。
LifeTecエレメントは、菱形または三角形分割を中心に構成されており、サポートブリッジの構造に似ています。 この設計は、エレメントを破損または弱める可能性のある力に抵抗します。また、日々大量の流体を処理しますが、処理過程のフィルターにかかる圧力差に対して優れた耐性を発揮します。
設置・運転中の損傷に耐えるフィルターは、安全性、ライフサイクル、全体的なコスト削減に繋がります。
フィルター交換
液体フィルトレーションの3番目の課題は供給です。 フィルターと関連部品は、あまりにもさまざまなサイズと定格で提供されているため、ユーザーが部品の製造に何週間も待たされるということがよくあります。
ドナルドソンは、LifeTecにシングルフロー製造を適用することでこの問題に対処しました。 10インチの各エレメントモジュール部品（特定の長さまたはエンドキャップスタイルを含む）は、迅速に特注製造でき、個別のシリアル番号によってあらゆる工程を追跡することができます。 この方法により納品が迅速化するだけでなく、メーカーの欠陥を減らす可能性も秘めています。
メリットをまとめる
LifeTecは、液体とガスのフィルトレーションにおける画期的なテクノロジーで、水のボトリングやその他の液体用途の新基準を打ち立てています。 ヨーロッパの世界的大手ソフトドリンクメーカーが所有する工場や、製品開発に参加した他の工場が最初の顧客になりました。 食品・飲料加工業者は、自社のフィルトレーションシステムをアップグレードする際に新技術を採用することで 業績と安全性が向上します。
