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バグハウスの性能を向上させるために水流交絡バグを検討すべき5つの理由

ドナルドソントリット、プロダクトマネージャー、Joe Kiolbasa

産業用集塵機フィルターの進歩に関する多くの記事が発表されてきましたが、その大半はカートリッジフィルターを使用した集塵機をテーマにしています。 カートリッジを使用した集塵機には多くのメリットがありますが、北米拠点の多数の施設では、依然としてバグハウスを購入して運用しています。 本稿では、こうしたバグハウスの所有者やオペレーターのフィルトレーションニーズに対応します。

バグハウスフィルターはさまざまな素材で作られています。 集塵機に流れる気流が275°Fを超える場合は、P84、アラミド、ライトンなどの素材を検討します。 ドライヤーのフィルターを通過した空気のように、気流に水分が多く含まれている場合や、高酸や高アルカリの状態にある場合は、ポリプロピレンが選択肢として考えられます。 しかし、これらの用途はそれぞれ特殊であり、特殊な素材のバグが必要となります。

ほとんどの用途において、バグハウスフィルターには一般的なポリエステルが使われています。ポリエステルは、空気のフィルタリング能力も寿命も許容範囲内にあり、最初の取付コストも抑えられることが理由として挙げられます。 ただし、より優れたバグハウス性能を実現しながらも、同様にコストを抑えられる別のタイプのポリエステル製バグフィルターとして、 水流交絡ポリエステルのバグがあります。以下に、このバグを検討すべき理由トップ5をご紹介します。

  1. より均質なメディア - ほとんどの一般的なポリエステル製バグフィルターは、ニードリングプロセスで製造したフェルトでできています。 このプロセスでは、返しの付いた大量のニードルをメディアファイバーのベッドに高速で上下に差し込み、ポリエステル繊維を絡み合わせてフェルトを作ります。

    1976年、デュポン社は、微細なウォータージェットで繊維を絡み合わせる新しいプロセスを導入しました。 この水流交絡法(スパンレース法)では、一般的なニードルフェルトポリエステルよりも細孔が小さく耐久性に優れ、均質な素材を製造できます。

  2. 長いフィルター寿命 - 水流交絡バグフィルターを使用したバグハウスで粉塵をフィルトレーションすると、バグの外側表面で捕集される粉塵の割合は、一般的なポリエステル製バグフィルターの場合と比較して、大幅に高くなります。 この現象は表面捕集として知られています。 バグ内の空気の逆パルスクリーニングによってバグから粉塵を払い落とす際は、表面で捕集した粉塵がバグから容易に払い落とされ、バグハウスホッパーに落下します。 効果的なパルスクリーニングでバグがよりきれいになることで、バグを通過する風量の制限が抑えられます(圧力損失が少なくなります)。 適切なエアフローを維持することで、バグハウスは空気から粉塵を効果的にフィルトレーションできます。

    一方、一般的なニードルフェルトでできたフィルターは、水流交絡バグと比べて細孔の大きさや構造が均一ではなく、 大きな細孔が多く存在する傾向があります。 このため、これらのバグで捕集された粉塵はファブリックの深部まで侵入する傾向があります。 これはデプス捕集と呼ばれ、バグフィルターの清掃時、パルスクリーニングによる粉塵の払い落としが非常に難しくなり、 バグが汚れ、圧力損失が大きくなり、急激に上昇します。
これらの結果は加速ラボ試験で得られたもので、現場試験の結果と相関があります。水流交絡ポリエステルは、圧力損失が原因でバグを交換する場合に、標準的な16オンス(453.6 g)のポリエステル製バグフィルターの2~3倍の寿命が得られることが示されています。

ラボと現場の結果では、表面捕集とパルスクリーニングの優位性によって、水流交絡バグの方が長持ちすることが一貫して示されています。 実際、水流交絡バグは、一般的なポリエステル製バグフィルターより2~3倍長持ちすることが分かっています。

3. 排出量の削減 - 前記の圧力損失グラフを見ると、空気が水流交絡バグをより簡単に通過することから、より多くの粉塵が通過していると考えるかもしれませんが、 実際はそうではありません。 2.5ミクロン以下の粒子の場合でも、水流交絡バグフィルターからの粒子の排出は、一般的なニードルフェルトバグフィルターと比べて最大30%少なくなります。 繰り返しになりますが、これは、水流交絡ポリエステルでは細孔が小さく均質性が高いためです。 バグハウスを使用して施設を清潔に保ち、EPA排出基準を満たす上で、工場長に大きなメリットをもたらす可能性があります。

これらのフラットシートの結果は、独立ラボで実施した2.5ミクロンの粒子に対するASTM D 6830 - 02での試験に基づくものです。

4. エネルギーコストの削減 - 水流交絡バグの表面捕集と圧力損失低下によるもう1つの利点は、バグハウスを通して空気を引き込む際に使用されるファンエネルギーを低減できることにあります。 バグフィルターの制限が少ないため、ファンのエネルギーを抑えることができるのです。 また、ファンにEISA準拠のモーターを装備し、可変周波数ドライブを使用している場合は、年間省エネ効果が非常に高くなります。 以下の例は、484個のバグを備えた集塵機1台で水流交絡バグを使用した場合のエネルギー消費の削減が、年間6,000ドルを超えることを示したものです。 当然、施設の集塵機の台数が多いほど、省エネ効果も高くなります。

ニードルポリエステル製バグの清浄空気側(300倍)

水流交絡ポリエステル製バグの清浄側(300倍)

上記の写真は、フライアッシュをフィルトレーションしている集塵機で使用されているバグメディアを、走査型電子顕微鏡で撮影したものです。 バグは2,700時間使用後に取り外され、 流入空気の比率は4.5対1でした。 2,700時間稼働後の圧力損失は、ポリエステル製バグで6インチ(152.4 mm)、水流交絡バグで2インチ(50.8 mm)でした。

5. メンテナンスコストの削減 - 工場作業員が最も嫌う作業の1つは、バグハウスのバグフィルターの交換です。 ホコリが多く、汚れる仕事で、時期によっては非常に暑い中や寒い中で行う必要があります。 不快な作業であることに加えて、バグハウスを所有する会社にとってはコストもかかります。 バグフィルターの交換中はバグハウスを停止する必要があるため、通常は工場が稼働していない時期に実施します。 そのため、週末手当や休日手当が発生し、プロジェクトのコストはさらに増大します。

現場での経験から、過度に高い圧力損失が原因で交換する場合、水流交絡バグフィルターは、ニードルフェルトポリエステル製バグよりも2~3倍長持ちすることがわかっています。 水流交絡バグの寿命がニードルフェルトバグの2倍と想定し、人件費やバグコストを考慮すると、484個のバグを備えたバグハウスで水流交絡バグを交換するたびに、3,500ドル以上の節約になります。 繰り返しになりますが、複数のバグハウスを設置した施設であれば、短期間で大幅なコスト削減を達成できます。

依然として多くの企業が、施設を清潔に維持するためにバグハウスを使用しています。 水流交絡フェルトのバグハウスバグを使用すれば、施設をより清潔に保ちつつ、エネルギーとメンテナンスのコストを削減できます。

 

 

参照
Kamath, M.G., Dahiya, A., and Hegde, R.R.(2004, April). Spunlace (Hydroentanglement)
Rupp, J. (2008, July/August). Spunlace or Hydroentangled Nonwovens
Gupta, H. (2013 April). Spunlace Technique (Hydroentanglement: A Technique of Non-woven Production)

 

 

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